当Wikiは「どうぶつの森」をはじめ、当方が好きなものについて気まぐれに綴ってゆくWikiです。

7月末頃より執筆予定・・・
あらすじひょんなことからミッチェルは「タヌキ製菓」の工場長の招待を受け、工場見学へ向かう。
そこにはミッチェルの他に4匹の子どもたちがいた。
果たして、彼らはそこで何を見たのか・・・?

どうぶつ小学校に通うミッチェルたちは夏休みを楽しんでいた。ある日、ミッチェルは新聞を取りに行くため、ポストの中身を見た。
ポストを覗くと、新聞の他に茶封筒が入っていた。
ミッチェル「なんだろう、これ?」
自宅に戻り、中身を開くと、手紙と一枚の招待券が入っていた。
ミッチェルはその手紙に目を通した。


〜ミッチェルくんへ〜

おめでとう!この度、キミを我が「タヌキ製菓」の工場にご招待いたします。
つきましては、8月○日の午前10時に工場正門前でお会いしましょう。
会えるのを楽しみにしております。
なお、今回のご招待にあたり、ひとつだけお願いがあります。
お友だちは連れて来ず、おひとりで来るようにしてください。

〜タヌキ製菓・工場長より〜

ミッチェル「スゴいや、タヌキ製菓からの招待状だ!」
ミッチェルも「タヌキ製菓」の名はよく知っていた。今、子どもたちの間で大人気の「ドッキリマン・チョコ」を製造している会社なのであった。
ミッチェル「でも『お友だちは連れて来ず』ってことは、ジャックくんたちは一緒に行けないのか。ちょっと寂しいなぁ・・・」
その時、誰かから電話がかかってきた。
ミッチェル「もしもし、ミッチェルです。」
???「おおミッチェルか、ハムカツだぞー!どもども」
ミッチェル「おはようハムカツくん、どうしたの?」
ハムカツ「聞いてくれ!今朝ポストを開けたら、『タヌキ製菓』の工場長から手紙が届いてたんだ!」
ミッチェル「ええっ!じつはボクもなんだ・・・!」
ハムカツ「本当か!?じゃあ一緒に行こうじゃないか!どもども」
ミッチェル「うん、楽しみにしてるよ!くりりん」


やがて、約束の日がやってきた。
工場の正門前には既に招待状をもらった子供達がいた。
???「あら、ハムカツくんにミッチェルくん、おはよう。あらら」
そう声をかけてきたのは少女マンガのようにキラキラした目のコグマ少女だった。
???「キミはジャックくんの彼女・・・じゃなくて親友のミッチェルくん?あながち」
ミッチェル「隣のクラスのみすずさん・・・!?それにジャックくんと同じ塾に通うジュンくん!」
ハムカツ「お前らも招待されたのか!どもども」
みすず「ええ。このワタシを招待してくださるなんて、タヌキ製菓の工場長も見る目があるわ。」
???「はぁ、はぁ・・・よかった、間に合ったわ!ルン」
そう言って駆け込んできたのは身体の黄色いゾウの少女だった。
ミッチェル「あ、貴女は・・・?」
???「はじめまして、アタシはエレフィン!アタシもここの工場長に招待されたんだ!」
ハムカツ「初めまして!オイラはハムカツ!そしてこっちが・・・。」
ミッチェル「ミッチェルだよ。くりりん」
エレフィン「へっー!ウワサには聞いてたけど・・・本当に女の子みたいだね。」
ハムカツ「まぁ、実際は立派なちn・・・」
ミッチェルがハムカツの口を塞いだ。
ミッチェル「ハムカツくん!女の子の前で、そう言う話はダメだよ!!しかも相手はゾウなんだから!
みすず「・・・?」
エレフィン「しかし、工場長遅いね!なにやってんのかしら?」
ミッチェル「そうだね、もうすぐ約束の時間なんだけど・・・」

その時だった。
???「皆さ〜ん、大変お待たせしましただのも!!」
素っ頓狂な声が響いてきた。
一同が声のした方をふり向くと、そこには1匹の中年ダヌキが立っていた。
シルクハットと燕尾服をまとい、鼻の下には立派な髭を生やしていた。
???「よく来てくれただのも!ワタクシこそがこのタヌキ製菓の工場長・たぬじろうだのも!」
一同「(うわ、なんか胡散臭そうなオジサンだなぁ・・・しかも『だのも』って・・・)」
たぬじろう「キミたち5匹は大勢の住民から選ばれた『貴重な存在』なんだのも!それでは早速、案内するだのも!」
たぬじろうの後に続き、ミッチェルたちは工場の前へやってきた。
すると突然、たぬじろうがミッチェルたちの方を向いて言った。
たぬじろう「そうそう。これから見学してもらうにあたって、絶対守ってほしい約束があるだのも。この工場の中で見たことは、決して誰にも口外してはいけないだのも。」
一同「わ、わかりました・・・」
たぬじろう「さ、行くんだのも!」
たぬじろうが工場の扉に手をかけ、扉を開けた。
一同はそれを息を呑んで見守った。

ギィィィーッ・・・

一同は目を見張った。
工場の中は沢山の機械がひしめき合い、まるでテーマパークのようだった。
ミッチェル「わぁースゴ〜い!!」
ハムカツ「これは驚きだぞー!どもども」
ハムカツがスマホで写真を撮ろうとした・・・その時。
たぬじろう「ダメだのもっ!!!」
たぬじろうの鋭い声が響いた。
ハムカツ「・・・!!!」キィィーン....(耳鳴り)
たぬじろう「全く最近の子はSNSというものにアップしてバズりたいのかだのも?」
たぬじろうが箱を持って来た。
たぬじろう「ここでは撮影するのも禁止なんだのも!携帯は預かるから、この箱の中に入れてちょうだい。」
ミッチェル「えっ・・・?」
たぬじろう「ホラ、早くするだのも!約束が守れないのなら、帰ってもらうだのもよ!」
ミッチェル「分かりました・・・」
一同はしぶしぶ、スマホを箱の中に入れた。
たぬじろう「よしよし、いい子たちだのも。それじゃあ、工場案内を始めるだのも。」
その時、小さな影が彼らのそばを通っていった。
みすず「あら、いったい何かしら?」
たぬじろう「ウフフ、いいモノを見つけてくれただのもね。みんな、集合だのも!」
たぬじろうが声をかけると、いくつもの小さな影が彼らの前に集まってきた。
ミッチェル「まめきちくんとつぶきちくんにそっくりだ・・・!!」
たぬじろう「これはお菓子の国からやってきた妖精・『まめじろう』くんと『つぶじろう』くんだのも!」
まめじろう「タヌキ製菓の工場へ、ようこそー! こそー!
ジュン「喋り方までそっくりだ・・・あながち」
たぬじろう「まめじろうくんとつぶじろうくんはとっても働き者だから、ボクも大助かりなんだのも!」
たぬじろうたちが進むと、スーツに身を包んだ女性が立っていた。
???「工場長、ここにいたんですね!」
ミッチェル「(し、しずえさん!?)」
たぬじろう「あっ、こちらは秘書のすずえさんだのも!」
すずえ「見学者の方々ですね!わたしはすずえと申します!」
ミッチェル「は、はじめまして・・・」
たぬじろう「すずえさんは、おっちょこちょいだけど頼りになる秘書なんだのも!」
すずえ「見てください工場長!さっき食べ終わったサクランボの枝、とうとう舌で結べるようになったんですよ!」
たぬじろう「ほほう、ついに出来たんだのもね!おめでとうだのも!」
エレフィン「スゴい!それが出来るの、しずえさんだけだと思ってたのに・・・!」
すずえ「あっ、それで工場長、キツネ製菓さんとの打ち合わせはいつにしますか?」
たぬじろう「うーん、今週は難しいから来週の木曜日に入れておいてちょうだい。」
すずえ「分かりました。では、失礼します。」
すずえさんはミッチェルたちに会釈をすると事務所に戻って行った。
たぬじろう「あそこの社長さんはニセモノばかり売り付けてくるから困っただのも。現にこの前なんか『本場・ベルギーの高級チョコレート』なんて言って、実際は商店街のスーパーで安売りされてたのに細工しただけのマガイ物だっただのも!」
ミッチェル「ますますどこかで聞いたような話だなぁ・・・くりりん」
やがて一同はとある装置の前に到着した。
たぬじろう「これは我が社自慢の商品、『プロテイン・チョコレート』を製造する機械だのも!」
ハムカツ「プ、プロテインだって!?」
脳筋筋トレマニアであるハムカツの目が輝いた。
たぬじろう「世界中のプロレスラーやボディビルダーがこぞって食べているというチョコレートだのも!」
たぬじろうは機械のスイッチを入れた。
ガガガガ、ガチャン・・・キュルキュルキュル・・・
巨大な機械が音を立て、動き始めた。
やがて1枚の板チョコがベルトコンベアーに乗って現れた。
たぬじろう「さあ、完成だのも!ひと口かじれば、あっという間にムキムキのキレッキレ!誰か試食してみないだのもか?」
ハムカツ「オイラだ、オイラに食べさせてくれ!!」
たぬじろう「わかった、キミに食べてもらうだのも。」
ハムカツはたぬじろうから「プロテイン・チョコレート」を受け取ると、猛烈な勢いで銀紙を剥がした。
そして、何かにとり憑かれたかのように夢中でかぶりついた。
たぬじろう「あっ、ちょっと!それは・・・」
たぬじろうが何か言いかけたのにも耳を貸さず、彼は無我夢中でバクバク食べた。
やがて、ハムカツの身体に変化が起こった。
プヨプヨだったハムカツの腹筋がだんだんと割れ、憧れのシックスパックとなったのであった。
ハムカツ「や、やった!!ミッチェル見てくれ、ついに憧れのボディーを手に入れたぞ!!」
ところが、ここで問題が起きた。
ハムカツ「あ、あれ?なんだ・・・な、なんだぁぁっ!!?」
なんとハムカツの身体がだんだん大きく膨らんでゆくではないか。
たぬじろう「あーあ、だから言おうとしたのに・・・それは1週間にひと欠けかじれば充分なんだのも。そんなにいっぺんに食べたら、『AKIRA』の鉄雄?くんみたいになっちゃうだのも!」
ハムカツ「ぎゃああああっ!!金田・・・じゃなかった、ミッチェル・・・助けて、くれぇっ・・・!!!
ミッチェル「ッ・・・!!」
たぬじろう「仕方ないだのも・・・おーい!!」
たぬじろうが呼ぶと、まめじろうとつぶじろうが現れた。
たぬじろう「この子を医務室へ連れていってあげてほしいだのも。」
まめじろう「わかりましたー! ましたー!
彼らは肉塊と化したハムカツを医務室へ案内していった。
たぬじろう「やれやれ、とんだお騒がせ坊やだのも。さあ、工場案内を続けるだのも!」
ミッチェル「待ってください、たぬじろうさん!」
たぬじろう「何だのも?」
ミッチェル「鉄雄・・・じゃなかった、ハムカツくんは元に戻れるんですか?」
たぬじろう「まあねぇ・・・巨大なプレス機で押し潰せば、元の大きさに戻れるだのも。」
ミッチェル「!!?」
たぬじろう「なーんてね、冗談だのも。下剤を大量に飲ませて、胃の中をスッキリさせれば元に戻れるだのも。」
ミッチェル「そうでしたか。よかった・・・」ホッ
たぬじろう「さあ、次の部屋へ進むだのも!」
たぬじろうたちはミッチェルたちを連れ、次の部屋へ向かった。


たぬじろう「よし、まずはこれで1匹消えただのも・・・」ニヤッ


次に彼らがやってきたのは「健康食品室」なる部屋だった。
たぬじろう「ここでは身体に優しいお菓子を製造しているだのも。特に人気があるのは、食べるとみるみる痩せることができる『ダイエット・プディング』だのも!」
エレフィン「ダイエット・・・みるみる痩せられる・・・!?」
エレフィンの目が期待に輝いた。
彼女は今までいろんなダイエット方法を試してみたが、どれもこれも長続きするものはなかった。
そればかりか去年買った夏服が着れなくなってしまい、さらには憧れのウマ少年・ジュリーにもフラれてしまったのであった。
エレフィン「これを食べれば、憧れのスタイルを自分のモノにできる・・・もう一度、ジュリーくんをふり向かせることができるかも・・・!!」
たぬじろう「さあ、これを試食してみたい子はいるだのもか?」
エレフィン「はい、アタシに食べさせてください!」
たぬじろう「それじゃ、どうぞだのも!」
エレフィン「いっただきまーす!!」
ところがエレフィンは僅か3回でプディングを噛み砕いて飲み込んでしまった。
たぬじろう「あっ〜、これはまずいんだのも・・・」
そして、エレフィンに変化が起きた。
エレフィンの身体が膨れ上がり、とうとう宙に浮いてしまった。
エレフィン「ちょっと〜!これどう言う事よ〜!!?」
たぬじろう「それは100回噛んで食べるんだのも!」
エレフィン「それを先に言いなさいよー!!」
ミッチェル「どうするんですか?」
たぬじろう「お腹に針を刺して空気を抜くしかないんだのも。」
ミッチェル「えっ・・・。」
エレフィン「ちょっと、冗談でしょ!?もっと優しい方法を考えなさいよ〜!!」
たぬじろう「でも、他にも方法はあるから安心して。」
みすず「他の方法って?」
たぬじろう「お尻の穴に管を挿し込んで、そこから空気を抜くだのも。」
エレフィン「なっ・・・バカ言わないでよ!!アタシの可愛いお尻にそんなことしていいと思ってるの!?//////////
たぬじろう「じゃあ、ずっとその姿のままでいればいいだのも。」
エレフィン「クッ・・・!わかったわよ、お願い!アタシを元に戻して!」
たぬじろう「わかっただのも。お〜い、すずえさ〜ん!!」
たぬじろうが呼ぶと、先ほどの女性が姿を現した。
すずえさん「工場長、どうされましたか?」
たぬじろう「この子を医務室へお連れして、ガス抜きをしてあげてほしいだのも。」
すずえさん「あらら、こんなに膨らんじゃって・・・わかりました、直ちに対処します。」
エレフィンは風船のように身体に糸を付けられ、すずえさんに運ばれていった。
ミッチェル「・・・・・・」
たぬじろう「ふう、これで行儀の悪い子が2匹いなくなっただのも。さあさ、次の部屋へ急ぐだのも!」
たぬじろうはミッチェル、みすず、ジュンの3匹を連れて次の部屋へ向かった。

しばらく進むと、一同はエレベーターの前にたどり着いた。
たぬじろう「これから案内する部屋はちょっと遠いから、この特製エレベーターで移動するだのも!」
たぬじろうがボタンを押してしばらく経つと、チーンッという音ののちにエレベーターが到着した。
たぬじろう「さあ、乗るだのも!」
ミッチェルたちはエレベーターの中へ足を踏み入れた。そして、目を見張った。
なんとそのエレベーターはアクリル板のように全面が透明だったのであった。
ミッチェル「こ、これは一体・・・!?」
さらに驚いたのは、壁に沢山のボタンが取り付けられていたことだった。
ジュン「スゴい、こんなに部屋が沢山あるなんて・・・!!」
たぬじろう「フフフ、この工場には大小含めて150もの部屋があるだのも!じゃあ今度は、この部屋へ案内するだのも!」
たぬじろうはそう言うと、沢山あるボタンの中から1つを選んで押した。
すると突然、ヒュウウウーッという音とともにエレベーターが動き始めた。
上へ向かったかと思えば、今度は横へも動いた。
ミッチェル「おっととと・・・!!」 
たぬじろう「転ばないように気をつけるだのも!」
透明な壁越しにいろいろな部屋が見えた。
ジュン「あの部屋では何が作られているんですか?あながち」
たぬじろう「あそこでは舐めるだけで髪の毛が生えてくる『育毛キャンディー』を作ってるだのも!」
なるほど、頭の禿げたタヌキが一所懸命に何かを研究しているのが見えた。
ジュン「(ボクの父さん、薄毛で悩んでたから1個お土産で持って帰ってあげたいな・・・。)」
みすず「あら、あそこに可愛らしい子牛がいるわ!」
たぬじろう「あの部屋では『コーヒー乳牛』を飼育しているだのも。」
みすず「コーヒー乳牛?」
たぬじろう「数年前にボクが普通の乳牛を遺伝子操作したことで開発した特別な乳牛だのも。なんと、体内でコーヒー牛乳を作ってくれるんだのも!」
ミッチェル「スゴいや!そんなことができるだなんて、たぬじろうさんってホントにスゴいですね!」
たぬじろう「エヘヘ、大したことはないだのも!そうそう、近いうちに『イチゴ乳牛』や『抹茶ラテ乳牛』の開発も始めるつもりだのも!」

やがて、エレベーターの速度が徐々に落ちてきた。
たぬじろう「さあ、そろそろ次の部屋に到着だのも。」
次に向かったのは高級菓子を専門に製造している部屋だ。
みすず「まぁ!高そうなお菓子がたくさんあるわ!」
みすずはキラキラの目をいっそう輝かせた。
たぬじろう「これからキミたちに見てもらいたいのは『チャーミング・カップケーキ』の製造過程だのも。」
一同「チャーミング・カップケーキ?」
たぬじろう「これは食べた者の魅力を最大限まで引き出してくれるカップケーキなんだのも。」
みすず「まぁ、ステキなお菓子ね!可愛いアタシにピッタリだわ!」
たぬじろう「それじゃあ早速、製造を始めるだのも。」
たぬじろうは大型装置のスイッチを入れた。
ドドドド・・・キュイイイーン、キュルキュルキュル・・・
甘くて美味しそうな香りが部屋いっぱいに漂ってきた。
間もなく、薄紅色の愛らしいカップケーキがベルトコンベアーに乗って現れた。
みすず「美味しそう・・・たぬじろうさん、食べてもいいかしら?」
たぬじろう「もちろん、どうぞだなも!ただ・・・」
たぬじろうが何か言いかけたのにも構わず、みすずはカップケーキにかぶりついた。
みすず「モグモグ・・・う〜ん、程よい甘さでとっても美味しいわ!」
みすずは夢中で食べ、あっという間に完食した。
みすず「ウフフ、これで今まで以上に多くの住民たちをアタシの虜にできるわ・・・!

だがその時、問題が起こった。
みすず「な、何よコレ・・・!?」
なんと、みすずの顔がまたたく間に醜い顔へと豹変したのであった。
たぬじろう「おやおや、残念だっただのもね。これは外見が美しくても心の卑しい者が食べると、それが顔に現れてしまうんだのも。」
みすず「そ、そんな・・・!!」
みすずには心当たりがあった。
つい先日、彼女は友人にちゃちゃまるのことを「筋トレしか頭にない脳筋ジンギスカン」と陰口を叩いてしまったのであった。
また別の日には、クラスメイトのシカ少女・ナタリーを「気取ってて気に食わない」だけの理由で、彼女の持ち物を隠してしまったこともあったのだ。
みすず「ヒ、ヒドいわ!これじゃアタシ、お嫁に行けない・・・!!」
たぬじろう「困っただのもねぇ・・・そうだ。アレを使えば、元に戻せるかも・・・」
たぬじろうは宙を見上げ、口笛を吹いた。
すると、まめじろうとつぶじろうがどこからともなく現れた。
まめじろう「お呼びでしょうかー? しょうかー?
たぬじろう「ああ、彼女に『劇画キャラメル』を舐めさせてあげてほしいだのも。」
みすず「は、早く元に戻してちょうだい!」アセアセ
まめじろう「それじゃ、こちらに来てください! さい!
まめじろうとつぶじろうはみすずを別の部屋へと連れていった。
ミッチェル「たぬじろうさん、『劇画キャラメル』とはどんなものですか?」
たぬじろう「うむ、これはひと粒舐めるとあっという間に目が少女マンガの登場人物のようにキラキラになれるステキなお菓子だのも。ひと重まぶたで悩んでいる女性にオススメの商品だのも。」
ミッチェル「へ、へぇ〜・・・あんな目した人が実際にいたら、気持ち悪いと思うけどなぁ・・・
たぬじろう「フフフ、これで残り2匹・・・果たしてどっちが消えるやら・・・」ニヤッ
ミッチェル「えっ?」
たぬじろう「い、いや、何でもないだのも!さあさ、次の部屋へ行くだのも!」
ミッチェル「・・・?」
たぬじろうはミッチェルとジュンを連れ、次の部屋へ向かうことにした。

次に連れてこられたのは、子供向けのお菓子を扱った部屋だ。
ジュン「あ、アレは「ドッキリマン・チョコ」じゃないか!」
たぬじろう「そうそう、キミたちのお父さんがまだ子供だった頃から現代の子供達まで愛され続けているお菓子なんだのも!」
ジュン「激レアカードがなかなか当たらなくて、お年玉を全部使って買ったけど、それでも当たらなかったくらいなんだよな〜。あの後、めちゃくちゃ怒られたんだよね・・・
ミッチェル「ボク、とたけけさんのカード持ってるよ。くりりん」
ジュン「えっ!とたけけさんのカードだって!?激レアカードじゃん!!」
ミッチェル「エヘヘッ、良いでしょ!」
ジュン「自分で当てたのかい?」
ミッチェル「ううん。ハムカツくんがね、間違えて買ったのをボクが貰ったの。そしたら当たってたってわけ。」
ジュン「ミッチェルくん、キミは強運の持ち主だ。なぁ、ボクに激レアカード譲ってくれないか?」
ミッチェル「えっ、それはちょっと・・・」
ジュン「頼むよ!もし譲ってくれたら、1日キミの言うことなら何でも聞くからさ!」
ミッチェル「ホントに!?じゃあ・・・ボクの夜の相手もしてくれるの?」
ジュン「もちろんだ!カードのためなら、なんでもしてあげるよ!」
ミッチェル「いいよ、じゃあ譲ってあげる!」
ジュン「やったぁ、ありがとう!!あながち」
その時、たぬじろうが何かを取り出した。
たぬじろう「そうか・・・じゃあ、このカードは別の子にあげることにするだのも。」
ジュン「えっ?」
たぬじろうが持っていたのは銀色にキラキラ輝くカードだった。
ジュン「そ、それは・・・!!」
ミッチェル「レアカード中のレアカード、まいこちゃんのカード!!」
ジュン「3万分の1の確率でしか入ってなく、ネットオークション『森オク!』でも6ケタ単位の価格で売られている幻のカードじゃないか!!」
たぬじろう「そうだのも。よかったらジュンくん、キミにこのカードを譲ってあげてもいいだのもよ?」
ジュン「ホ、ホントですか!?」
たぬじろう「もちろん、タダで譲ってあげるだのも。」
ジュン「ありがとうございます!!」
ミッチェル「えっ、でもジュンくん、ボクのとたけけさんのカードは・・・」
ジュン「悪いけどそっちはいいよ。まいこちゃんのカードに比べたら、そんなの大したことないし。それにまいこちゃんのほうが、友だちに見せびらかし甲斐があるからね。あながち」
ミッチェル「・・・・・・」
ジュン「たぬじろうさん、ボクにそのカードをください!」
たぬじろう「いいだのも。ハイ、どうぞ。」
たぬじろうが差し出したカードにジュンが手を伸ばした。
たぬじろう「・・・・・・」ニヤッ

その時だった。
ジュン「うわぁぁぁぁぁぁ〜っ!!?」
なんと、ジュンはカードの中に吸い込まれてゆくではないか。
ミッチェル「!!?」
そして、カードの絵柄がジュンの姿に変わっていった。
たぬじろう「なーんてね。平気で他人を裏切り、そのうえ友だちに見せびらかそうとする子にあげるワケがないだのも。」
ジュン「助けてぇ〜!!出してくださ〜い!!」
ジュンは必死に叫んだが、それはあまりにもか細かった。
たぬじろう「しばらくこの中で反省させるだのも。」
たぬじろうはカードを上着の内ポケットに押し込んだ。
ミッチェル「たぬじろうさん・・・あなたは一体、何者なんですか・・・?」
たぬじろう「フフッ・・・最後に残ったのはキミだのもか。おめでとう。じゃあボクの正体を明かす前に、そろそろ『最後の試験』に移らせてもらうだのも。」
ミッチェル「最後の試験・・・!?」
たぬじろう「さあ、付いてくるだのも。」
ミッチェル「・・・はい。」
たぬじろうはミッチェルを例のエレベーターの前へ連れてきた。

たぬじろうはミッチェルとともにエレベーターに乗ると、いくつもあるボタンの中から最も上にあるボタンを押した。
たぬじろう「フフフ、ついにこの部屋へ行く時が来ただのも・・・!」
するとエレベーターは凄まじい勢いで降下していった。
ミッチェル「・・・!!」
いくつもの部屋を抜け、エレベーターは地下深くまで進んでいった。
やがて動きが緩やかになり、エレベーターの扉が開いた。
たぬじろう「さあ、降りるだのも。」
ミッチェルはたぬじろうの後につき、エレベーターを降りた。
そこは地上の派手なフロアとはうって変わり、コンクリート囲いの薄暗い通路が続いていた。
たぬじろうはミッチェルを連れ、通路を進んだ。
しばらく進むと、「最終試験室」と記された扉の前に着いた。
たぬじろうは懐からカギを取り出すと、扉のカギ穴に差し込んだ。
ギィィィィッ・・・
軋むような音を立てて、扉が開いた。
たぬじろう「さあ、入るだのも。」
ミッチェルはたぬじろうとともに、その部屋へ足を踏み入れた。
部屋は大して広くなかったが、壁に大きなモニターが取り付けられていた。
たぬじろう「じゃあこれからボクがいくつか質問をするから、正直に答えてほしいだのも。いいだのもか?」
ミッチェル「・・・わかりました。」
ミッチェルはたぬじろうと向き合った。
たぬじろう「まず最初の質問だのも。キミにとって、『仕事』とはどんなものだのもか?」
ミッチェル「仕事・・・」
ミッチェルはあまり具体的なイメージが掴めなかったが、今までの経験から正直に答えた。
ミッチェル「自分を高めてくれるものだと思ってます。」
たぬじろう「よろしい、では次の質問だのも。キミにとって、『友だち』とはどんなものだのもか?」
ミッチェルの脳内にジャックたちの顔が浮かび上がった。
ミッチェル「悲しみや喜びを分かち合える、かけがえのない存在です。」
たぬじろう「うむ、では次の質問だのも。キミにとって、『お金』とはどんなものだのもか?」
ミッチェル「生きてゆくうえで欠かせない、大切なモノだと思ってます。」
たぬじろうはふんふんと頷いた。
たぬじろう「ではキミにとって『お金』と『愛』、どっちが大切だのもか?」
ミッチェル「愛です。何故かと言うと愛はお金で買うことはできないからです。」
ミッチェルはきっぱりと答えた。
たぬじろう「なるほど、よくわかっただのも・・・おめでとう、キミは合格だのも!!」
たぬじろうが明るい声で言った。
ミッチェル「ご、合格・・・!?」
たぬじろう「じつは今回、キミたちを招待したのには理由があったんだのも。この工場の後継ぎをする優秀な子どもが欲しかったんだのも。」
ミッチェル「!?」
たぬじろう「そして誘惑や欲望に負けないような強い心を持った子を見つけるために、随所でキミたちを試してきたんだのも。」
ミッチェルは耳を疑った。
たぬじろう「合格のお祝いに、我が工場のお菓子3年分をプレゼントするだのも!後でキミの家に送るから、楽しみにしててだのも!」
ミッチェル「ありがとうございます!!」
その時、たぬじろうは懐からリモコンを取り出すと、モニターのスイッチを入れた。
たぬじろう「もちろん、4匹の新人もプレゼントするだのも!」
ミッチェル「えっ・・・?」
そこに映っていたのは、身体を縄で縛られた、ハムカツ、エレフィン、みすず、ジュンの4匹だった。
ミッチェル「み、みんな・・・!!」
たぬじろう「この子たちには自分を鍛え直してもらうため、この工場で無休で働いてもらうだのも。」
ミッチェル「ええっ!?」
たぬじろう「さあ、キミはもうお家に帰るだなのも!」
ミッチェル「ちょっと待ってください!それはいくらなんでも酷いです!!」
たぬじろう「酷い?何がだのもか?」
ミッチェル「彼らにもまだまだやりたいことがあるはずなのに、一生無休で働くなんてあんまりです!」
たぬじろう「そんなの関係ねぇんだのも!!よく考えたら古いネタなんだのも
ミッチェル「ッ・・・!!15年前のネタでしょ、それ・・・
たぬじろう「自分たちのことしか考えられないエゴの塊のようなヤツらには、ここでミッチリ働いてもらうだのも!」
ミッチェルは食い下がった。
ミッチェル「お願いです、この子たちを助けてあげてください!お願いします!!」
たぬじろう「いいだのも。もしキミがこの子たちを解放したいのなら、そうしてあげてもいいだのも。その代わり、工場の後継ぎは取りやめにするだのも。」
ミッチェル「そんなの要らないです!」
たぬじろう「要らない・・・!?」
ミッチェル「工場の跡継ぎなんかより、ボクは友人たちを助けるのを優先します。
たぬじろう「そんな・・・キミは世界を股にかける大手会社の工場を自分のモノにできるだのもよ!もう将来は約束されたも同然だのもよ!それでも要らないなんて言うだのもか!?」
ミッチェル「何度も言わせないでください、ボクはこの子たちを助けたいんです。」
たぬじろう「クッ・・・!!わかった、じゃあこの子たちは解放するだのも。」
ミッチェル「ありがとうございます。」
たぬじろう「まめじろう、つぶじろう、その子たちを解放して連れて来るだのも。」
たぬじろうは無線で2匹の子ダヌキに指令した。
まめじろう「わかりましたー! ましたー!
まもなく、まめじろうがハムカツたちを部屋へ連れてきた。
ハムカツ「ありがとよミッチェル、お前ならオイラたちを助けてくれるって信じてたぞー!どもども」
ミッチェル「気にしないでよ、友だちなら当然でしょ?」
エレフィン「ダイエットは地道にコツコツ頑張るのがいちばんね!ルンイテテ・・・さっき管挿れられたから、お尻の穴が・・・//////////
みすず「ワタクシももともと、お菓子なんて食べなくても魅力的ですわ!あらら」
ジュン「ごめんよミッチェルくん。せっかく、とたけけさんのカードくれるって言ってくれたのに・・・」
ミッチェル「気にしなくて良いよジュンくん。はいこれ。」
ミッチェルがジュンに『とたけけさんのカード』を渡した。
ジュン「良いのかい?」
ミッチェル「もちろん!でも、ちゃんと夜の相手してね❤️」
ジュン「分かってるよ。ボク、この1週間、全然ヌイてないからヤリたかったんだ!」
ミッチェル「じゃあ今夜、ボクの家で待ってるよ!くりりん♥」
その時、たぬじろうがミッチェルに声をかけた。
たぬじろう「そうそうミッチェルくん、お菓子3年分はちゃんと届けるから安心してだのも!」
ミッチェル「ハイ、楽しみにしてます!」
ハムカツ「スゴいなミッチェル、お菓子3年分ももらえるのか!?」
ミッチェル「そうだよ!でもボクひとりじゃ食べきれないから、ハムカツくんにも分けてあげるよ!」
ハムカツ「ホントか!?ありがとよ!!どもども」
ミッチェル「そうだ、ジャックくんたちにも分けてあげよう!」
こうして彼らは工場の外に出された。

たぬじろう「やれやれ・・・今まで何度もこの方法で子どもたちを試してきたが、みんな最後は友だちを選ぶだのも・・・」
すずえさん「いいことではありませんか。それだけ、この島の子どもたちはみんな良い子なんですよ。」
まめじろう「ボクもそう思います! ます!
ミッチェル「それではボクたちは帰りますね。たぬじろうさん、今日はありがとうございました。」
ミッチェルたちはたぬじろうに別れを告げ、工場を後にした。

続く・・・

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